◆『場≠つくる喜び−ミニシアター「進富座」の九十年と今−』◆


水野結著
 『場≠つくる喜び−ミニシアター「進富座」の九十年と今−』
販売の開始のご案内

本館・別館にて、三女の卒業制作『場≠つくる喜び -ミニシアター「進富座」の九十年と今-』の文庫本(¥600)を販売します。

ジャンルはノンフィクション(インタビュー)です。
家族として、ひとりの聞き手として、祖母と父にインタビューしました。
進富座の歴史と現在に迫る、ノンフィクション作品です。


この本について
実家のミニシアター・進富座は、今年で創業90年を迎えました。その前身は1927年から始まった芝居小屋で、1953年に映画館に改装し、今まで4代にわたって営業してきました。1983年から父は3代目の祖父といっしょに働き始めましたが、1997年に諸般の事情で休業し、改装されて貸館になりました。そのとき私たち家族は母の故郷の愛媛県に引っ越し、5年ほど過ごしました。やがて貸館の賃貸契約が切られることになり、劇場が戻ってきても映画館を経営する者がおらず、閉館の準備が整いました。しかしそこで父が映画館を再開すると決意し、私たちは三重に戻ったのです。私は愛媛の土地や友だちが好きだったので、引っ越しには反対でしたが、両親についていくしかありませんでした。

その後は、実家が映画館ということに誇りを感じながら、心のどこかでは愛媛に戻りたいと思っていました。そして大学に通うために三重を離れてから、父に複雑な感情を抱くようになりました。映画館を切り盛りする父を尊敬する一方で、理解していながら納得できなかった引っ越しのこと、薄れていく愛媛の友だちとの関係に、筋違いと分かっていながら父を責める気持ちがありました。その気持ちを抱いたまま4回生になったとき、父に「いつか進富座のことを書いてくれないか」と言われました。私は父が必死に再開しようとした進富座について、くわしく知りませんでした。知ってしまえば、引っ越しが仕方なかったと認めることになるだろうと、自分の愛媛を思う気持ちが負けてしまうと分かっていたからです。すぐには返事しなかったのですが、何日か経つうちに、父に相反する感情を抱き続け、進富座の歴史を知らないままでいいのか疑問に思うようになり、卒業制作で進富座について書こうと決意しました。

この卒業制作は、2016年度大学卒業展の文芸表現学科において学長賞を受賞しました。よろしければご一読ください。




文庫本(¥600)
※進富座窓口のみの販売となります。ご了承下さい。


【ブログ『進富座の映写室から』】

伊勢のミニシアター「進富座」支配人の三女が、進富座のこと、映画のこと、映画に関係ないことまで書いていきます。

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